2007年 03月 29日
東京国際音楽コンクール入賞者デビュー |
今日は昨年行われた東京国際音楽コンクール入賞者のデビューコンサートが兵庫県立芸術文化センター大ホールであったKです。
指揮部門で一位なしの第二位川瀬賢太郎さん指揮でモーツァルトのシンフォニー D-Dur「ポストホルン」、
日本管打楽器コンクール第一位の木川博史さんホルン独奏でリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第一番。
そしてメインがシベリウスの交響曲第二番d-mollというプログラムで開演前に同コンクール指揮部門審査委員長・指揮者外山雄三さんの話がありました。
指揮の川瀬くん、ホルンの木川くん、いずれもコンクールの優勝者だけあって危なげないテクニックの持ち主、安心して聞くことが出来ます。本当に最近の若い音楽家達は指揮にしろ器楽にしろテクニック的にはほぼ問題ないくらい完成度が高い。もちろん二人とも音楽的にも全く素晴らしい演奏でした。
ホルンの木川くんはこの春東京音大を卒業して4月からベルリン芸大へ入学することになっていて来週ドイツへ飛ぶのだとか。Nと一緒になる訳です。
今日のメインプロ・シベリウスの二番にはKのトラウマになっている箇所があります。
第二楽章冒頭二分近くにわたってオーケストラの中で唯一コントラバスだけが全く裸で演奏する部分があります。ピチカートといわれ弓を使わずに弦を指で弾いて音を出す所なのですが、いつもこの場所を弾くときは異常に緊張してしまいます。
というのもコントラバスを初めてまだ間もない芸大一年生の時の事件が原因。
当時芸大ではオーケストラの授業は各学年ごとに学年オーケストラがあり一年生はまだオーケストラではなく弦は弦、管は管で分かれての合奏授業。
一年生の私にはほとんどオーケストラ経験なかったのですが、ある朝大学に行くと四年の先輩が待ちかまえていて「今から始まる四年オーケストラに助っ人で出てもらうよ。」と弾いたこともないシベリウスの楽譜を突然渡されたのです。
大慌てで合奏練習室・第一ホールへ楽器を持って行き、譜読みをする暇もなく授業が始まってしまいました。ところが3人いるはずの四年生は仕事なのかサボタージュなのか私に助っ人頼んだ当人すらいません。
コントラバスパートはK一人だったのです。
指揮は巨匠 山田一雄大先生。
「さあ 今日は第二楽章から始めます。あらっ! 四年生がいないじゃないの。
あなた一人なの??」
と至極上品に仰られてスコアを開いて練習が始まったのですが、
なんと私以外ただの一人もオーケストラの中で音を出す人がいません。コントラバスだけで弾く場所ですからね。
ずらっと居並び座ったままの上級生達が静かに聞いているなかで,ただひとりヤマカズ(山田一雄先生)の指揮で、全く初見のコントラバスパートを何回も弾くはめになったあの経験は一生忘れられるはずありません。ひどい上級生たち・・・・・・K
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Danke schoen.
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今朝個人レッスンしていた生徒から聞いた話。
昨日の関西フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会@シンフォニーホールにエキストラで出演していた時起きたアクシデント。
プログラム後半、ストラビンスキーの「ペトルーシュカ」演奏中にそれは突然起こったらしいです。
その子の前で弾いていたメンバーの弓の毛が突然バサッと弓から抜け落ちて演奏不能になりすかさず自分の弓を差し出したのだとか。
当然自分は弾き続けることはできません。
これが弦が切れたのなら大抵舞台裏のケースの中にスペアがありますから
一時退場して弦を張り替えてから戻ってくることもできます。
ところが弓なので舞台裏に行ったところでスペアが置いてあるのかどうかも定かでなく
演奏中とて他のメンバーに聞くこともままならず、
仕方なくステージ上に止まり、皆が弓で弾いている中でただ一人差し障りのない所だけ
ピチカートで(指で弾いて)最後までの約20分間を弾き通したのだとか。
幸い「ペトリューシカ」は本来ピチカートで弾くところも多い曲なので
さほど目立たなかったそうですがこれがベートーヴェンやブラームスだったら
絶対無理! Kだったらさっさと退場するところです(笑)
指揮部門で一位なしの第二位川瀬賢太郎さん指揮でモーツァルトのシンフォニー D-Dur「ポストホルン」、
日本管打楽器コンクール第一位の木川博史さんホルン独奏でリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第一番。
そしてメインがシベリウスの交響曲第二番d-mollというプログラムで開演前に同コンクール指揮部門審査委員長・指揮者外山雄三さんの話がありました。
指揮の川瀬くん、ホルンの木川くん、いずれもコンクールの優勝者だけあって危なげないテクニックの持ち主、安心して聞くことが出来ます。本当に最近の若い音楽家達は指揮にしろ器楽にしろテクニック的にはほぼ問題ないくらい完成度が高い。もちろん二人とも音楽的にも全く素晴らしい演奏でした。
ホルンの木川くんはこの春東京音大を卒業して4月からベルリン芸大へ入学することになっていて来週ドイツへ飛ぶのだとか。Nと一緒になる訳です。
今日のメインプロ・シベリウスの二番にはKのトラウマになっている箇所があります。
第二楽章冒頭二分近くにわたってオーケストラの中で唯一コントラバスだけが全く裸で演奏する部分があります。ピチカートといわれ弓を使わずに弦を指で弾いて音を出す所なのですが、いつもこの場所を弾くときは異常に緊張してしまいます。
というのもコントラバスを初めてまだ間もない芸大一年生の時の事件が原因。
当時芸大ではオーケストラの授業は各学年ごとに学年オーケストラがあり一年生はまだオーケストラではなく弦は弦、管は管で分かれての合奏授業。
一年生の私にはほとんどオーケストラ経験なかったのですが、ある朝大学に行くと四年の先輩が待ちかまえていて「今から始まる四年オーケストラに助っ人で出てもらうよ。」と弾いたこともないシベリウスの楽譜を突然渡されたのです。
大慌てで合奏練習室・第一ホールへ楽器を持って行き、譜読みをする暇もなく授業が始まってしまいました。ところが3人いるはずの四年生は仕事なのかサボタージュなのか私に助っ人頼んだ当人すらいません。
コントラバスパートはK一人だったのです。
指揮は巨匠 山田一雄大先生。
「さあ 今日は第二楽章から始めます。あらっ! 四年生がいないじゃないの。
あなた一人なの??」
と至極上品に仰られてスコアを開いて練習が始まったのですが、
なんと私以外ただの一人もオーケストラの中で音を出す人がいません。コントラバスだけで弾く場所ですからね。
ずらっと居並び座ったままの上級生達が静かに聞いているなかで,ただひとりヤマカズ(山田一雄先生)の指揮で、全く初見のコントラバスパートを何回も弾くはめになったあの経験は一生忘れられるはずありません。ひどい上級生たち・・・・・・K
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今朝個人レッスンしていた生徒から聞いた話。
昨日の関西フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会@シンフォニーホールにエキストラで出演していた時起きたアクシデント。
プログラム後半、ストラビンスキーの「ペトルーシュカ」演奏中にそれは突然起こったらしいです。
その子の前で弾いていたメンバーの弓の毛が突然バサッと弓から抜け落ちて演奏不能になりすかさず自分の弓を差し出したのだとか。
当然自分は弾き続けることはできません。
これが弦が切れたのなら大抵舞台裏のケースの中にスペアがありますから
一時退場して弦を張り替えてから戻ってくることもできます。
ところが弓なので舞台裏に行ったところでスペアが置いてあるのかどうかも定かでなく
演奏中とて他のメンバーに聞くこともままならず、
仕方なくステージ上に止まり、皆が弓で弾いている中でただ一人差し障りのない所だけ
ピチカートで(指で弾いて)最後までの約20分間を弾き通したのだとか。
幸い「ペトリューシカ」は本来ピチカートで弾くところも多い曲なので
さほど目立たなかったそうですがこれがベートーヴェンやブラームスだったら
絶対無理! Kだったらさっさと退場するところです(笑)
by prost-familie
| 2007-03-29 23:46
| コンサート