2007年 06月 14日
オペラな日々 |
大変ご無沙汰の長女Mです。相変わらず忙しい毎日を送っています。
先日、新国立劇場にオペラ「ばらの騎士」を観に行ってきました。新国立劇場にはアカデミックプランといって、25歳以下の学生は、S席/A席を5千円以下で購入できるプランがあるのです。どうせS席といっても奥の方だろうなあーと思っていたら、なんと9列目で、しっかり舞台の見える良い席でした。おかげでオペラグラスも無しにしっかりと舞台を楽しむ事ができました。来月には私26歳になってしまうので、このプラン利用できなくなってしまうのがとっても残念・・・。音の聞こえ方や、演技の見え方がずいぶんと違うので、安い席で舞台を楽しめるのもとっても大事な事だけど、こうやって良い席で観るのもたまには必要な事だなと感じた一夜でした。ちなみに今年は業界では“ばら戦争”と呼ばれるほど「ばらの騎士」が各地で相次いで上演されます。優雅で華やかな音楽と、わかりやすく面白いストーリー、まだ観た事のない方は是非行ってみてください。
そしてその翌日は昭和音大の新しく出来たテアトロ・ジーリオ・ショウワで、N.Y.メトロポリタンオペラの総裁ピーター・ゲルブ氏の「劇場経営の未来戦略」という講演があり、聴講に行ってきました。昨年就任されたばかりとの事ですが、これまで錚々たるキャリアを築いてこられた方なので、いろいろな話が面白く(特にホロヴィッツのマネージャーをしていた時の話なんて!)あっという間に3時間が経過しました。メトの経営モデルは、税制等の関係で寄付が充実しているアメリカならではだと思うので、そのまま日本に取り入れる事は不可能ですが、それでもとても勉強になるお話でした。(ちなみに写真は関係ありません。六本木ミッドタウンです)
そして講演後、ゲルブ氏が新しくメトで展開していて最も話題になっている、LIVEビューイングの試写がありました。メトの舞台を高画質でパブリックビューにしたり、映画館で上映するものなのですが、「こんなものを上映したら劇場に足を運ぶ人がいなくなるのでは」という意見があり、舞台に携わる者のはしくれとして「映画とLIVEは別物でしょう」と思っていたのですが・・・実際にプッチーニ三部作の「外套」を観て、あまりの高画質・高音質からくる迫力、そして幕間にはディーバによるディーバのインタビューや(違う舞台ですが狂乱のシーンを歌う直前のネトレプコにルネ・フレミングが突撃インタビュー!なんてのもあるそう)舞台裏の転換が観られたり、演出家がホストをしていたりと、そのあまりの充実ぶりに、思わず唸ってしまいました。アメリカはさすがエンターテインメントの国ですね。いかにオペラファンを獲得してゆくかという点においてはメトにかなう劇場はないのでは。
来シーズンにはアナ・ネトレプコの「ロミオとジュリエット」を始め、8本の公開を予定しているそうなので、機会があれば是非観てみてください。オペラファンならずとも、一般の方も、そして業界の人間でも十分に楽しめるものだと思います。 M
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Danke schoen.
同じくテアトロ・ジーリオ・ショウワで、五嶋みどりさんがたちあげたNPO法人ミュージック・シェアリングのプロジェクト「コミュニティ・エンゲージメント・プログラム」の第一回ヴェトナムツアーの、音楽関係者むけに開催された報告会に行ってきました。
みどりさんが若手演奏家とアンサンブルを組んで、発展途上国(今回はヴェトナム)の、クラシックを聴いた事のないような子たちのいるところへ行ってコンサートをしてまわる活動ですが、地域コミュニティと音楽(芸術)との相互発展というものは私たちの研究分野でもあり、非常に興味深くお話を伺いました。
一番印象的だったのは、アウトリーチ活動が演奏家(発信者)と聞き手(受信者)の一方方向であるのにたいして、このコミュニティ・エンゲージメント・プログラムは双方が影響しあうという事をみどりさんがおっしゃっていた事。実際、みどりさんにとっても、共に演奏した若手の方々にとっても色々とカルチャーショックなど多かったようで、決して一方通行ではない経験だった事を感じました。
報告会の後にはコンサートもあり、久しぶりにみどりさんの演奏を生で聴いたのですが、やはりすごい迫力で、クラシックを聴いた事のない人にこそこういう演奏を聴いてもらいたい、と改めて感じさせてくれました。
本当に、いろんな意味で素晴らしい活動ですし、必ずしも子供たちだけでなく、若い演奏家や、ひいてはみどりさんにとっても素晴らしい経験になったようですし、これからもずっと続いてほしいなと強く思いました。
先日、新国立劇場にオペラ「ばらの騎士」を観に行ってきました。新国立劇場にはアカデミックプランといって、25歳以下の学生は、S席/A席を5千円以下で購入できるプランがあるのです。どうせS席といっても奥の方だろうなあーと思っていたら、なんと9列目で、しっかり舞台の見える良い席でした。おかげでオペラグラスも無しにしっかりと舞台を楽しむ事ができました。来月には私26歳になってしまうので、このプラン利用できなくなってしまうのがとっても残念・・・。音の聞こえ方や、演技の見え方がずいぶんと違うので、安い席で舞台を楽しめるのもとっても大事な事だけど、こうやって良い席で観るのもたまには必要な事だなと感じた一夜でした。ちなみに今年は業界では“ばら戦争”と呼ばれるほど「ばらの騎士」が各地で相次いで上演されます。優雅で華やかな音楽と、わかりやすく面白いストーリー、まだ観た事のない方は是非行ってみてください。
そしてその翌日は昭和音大の新しく出来たテアトロ・ジーリオ・ショウワで、N.Y.メトロポリタンオペラの総裁ピーター・ゲルブ氏の「劇場経営の未来戦略」という講演があり、聴講に行ってきました。昨年就任されたばかりとの事ですが、これまで錚々たるキャリアを築いてこられた方なので、いろいろな話が面白く(特にホロヴィッツのマネージャーをしていた時の話なんて!)あっという間に3時間が経過しました。メトの経営モデルは、税制等の関係で寄付が充実しているアメリカならではだと思うので、そのまま日本に取り入れる事は不可能ですが、それでもとても勉強になるお話でした。(ちなみに写真は関係ありません。六本木ミッドタウンです)
そして講演後、ゲルブ氏が新しくメトで展開していて最も話題になっている、LIVEビューイングの試写がありました。メトの舞台を高画質でパブリックビューにしたり、映画館で上映するものなのですが、「こんなものを上映したら劇場に足を運ぶ人がいなくなるのでは」という意見があり、舞台に携わる者のはしくれとして「映画とLIVEは別物でしょう」と思っていたのですが・・・実際にプッチーニ三部作の「外套」を観て、あまりの高画質・高音質からくる迫力、そして幕間にはディーバによるディーバのインタビューや(違う舞台ですが狂乱のシーンを歌う直前のネトレプコにルネ・フレミングが突撃インタビュー!なんてのもあるそう)舞台裏の転換が観られたり、演出家がホストをしていたりと、そのあまりの充実ぶりに、思わず唸ってしまいました。アメリカはさすがエンターテインメントの国ですね。いかにオペラファンを獲得してゆくかという点においてはメトにかなう劇場はないのでは。
来シーズンにはアナ・ネトレプコの「ロミオとジュリエット」を始め、8本の公開を予定しているそうなので、機会があれば是非観てみてください。オペラファンならずとも、一般の方も、そして業界の人間でも十分に楽しめるものだと思います。 M
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Danke schoen.
同じくテアトロ・ジーリオ・ショウワで、五嶋みどりさんがたちあげたNPO法人ミュージック・シェアリングのプロジェクト「コミュニティ・エンゲージメント・プログラム」の第一回ヴェトナムツアーの、音楽関係者むけに開催された報告会に行ってきました。
みどりさんが若手演奏家とアンサンブルを組んで、発展途上国(今回はヴェトナム)の、クラシックを聴いた事のないような子たちのいるところへ行ってコンサートをしてまわる活動ですが、地域コミュニティと音楽(芸術)との相互発展というものは私たちの研究分野でもあり、非常に興味深くお話を伺いました。
一番印象的だったのは、アウトリーチ活動が演奏家(発信者)と聞き手(受信者)の一方方向であるのにたいして、このコミュニティ・エンゲージメント・プログラムは双方が影響しあうという事をみどりさんがおっしゃっていた事。実際、みどりさんにとっても、共に演奏した若手の方々にとっても色々とカルチャーショックなど多かったようで、決して一方通行ではない経験だった事を感じました。
報告会の後にはコンサートもあり、久しぶりにみどりさんの演奏を生で聴いたのですが、やはりすごい迫力で、クラシックを聴いた事のない人にこそこういう演奏を聴いてもらいたい、と改めて感じさせてくれました。
本当に、いろんな意味で素晴らしい活動ですし、必ずしも子供たちだけでなく、若い演奏家や、ひいてはみどりさんにとっても素晴らしい経験になったようですし、これからもずっと続いてほしいなと強く思いました。
by prost-familie
| 2007-06-14 17:14
| コンサート