
深夜の映画館に行ってきました。
Aです。
原作はパトリック・ズースキント、
音楽は長い歴史の中で映画音楽初録音!というサイモン・ラトル指揮ベルリンフィル。
美しい映像とベルリンフィルが紡ぎ出す深い響き、耽美的なソプラノと合唱、不思議で感覚的、ひたすらスクリーンに吸い込まれていったあっという間の2時間半でした。
悪臭と活気に満ちた18世紀のパリ。
汚らしい魚市場で主人公グルヌイユが産み捨てられる衝撃的なシーンからはじまり、類い希なる臭覚を持ちながら、自身の体臭を持たない彼が、自分のために究極の「香水」を追い求めて繰り返す猟奇的殺人。
描かれる狂気が叙情的な美しい映像と素晴らしい音楽に包まれ、全くおぞましさを感じさせない、不思議なおとぎ話のような世界でした。
様々な悪臭を消すために香水をつけ美しく着飾った華やかな人々、ゴミだらけでさらに鼻をつく腐臭が漂う魚市場の人達。
そして、芳しいラベンダー畑が広がる南フランスの町。
殺された生娘達の美しさ。
音楽は無類の映画ファンであるサイモン・ラトルとベルリンフィルによって引き出されたシンフォニックな薫り。
様々な映像と音楽が五感をゆさぶり、まるで「匂い」が喚起されてきたかのようでした。
ファンタジックなエンディングを見終えた後も、しばらく続く音楽。
何とも柔らかく歌うファゴットに続いてフルートのメロディ、そして太く深い響きのチェロがユニゾンで朗々と流れていきます。
ハープが加わり、あま〜い色のオーボエ・ダモーレ・・・。
いつまでもこの響きの中にいたい。
深夜2時半、帰りの車中で、来る時あれほど凝っていた首筋がすーっとしていることに気づくと
Kも身体がとてもリラックスしていると。
プレミアスクリーンのシートの心地も良かったのですが、美しい映像とどんな残酷なシーンでも(私には残酷には感じられない描写でしたが・・・冒頭シーンは別として)決して衝撃的ではなく常に静かに深い響きで語りかけてくれていた素晴らしい音楽があったからではないでしょうか。
フランスを舞台に、ドイツ人作家の原作、ドイツ人監督、ベルリンフィルの演奏、とドイツ芸術の「薫り」をふんだんに漂わせた野心作とはまさしくその通りですね。
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