2009年 10月 30日
癒しのBACH |
この所オーケストラで演奏する曲に重いものが続いていました。K
特にベルグのオペラ「ルル」やブルックナー交響曲第五番の勉強をしたり、練習&本番の最中などはさすがに頭が疲れます(笑?)
そんな時H.シェリングのバッハ、無伴奏パルティータ&ソナタを聴くのが私のリラックスタイム@通勤電車での過ごし方です。
複雑な響きや絡み合うモティーフ、官能的な歌、重厚な大オーケストラフルサウンド。
それはそれで面白いし醍醐味もありますが全てを頭の中に描き音を追おうとするとかなりエネルギーを要するものです。
ところがこのバッハの無伴奏ヴァイオリンの為の曲集はとにかくメロディーはシンプル、楽器はヴァイオリンのみ。しかしながら音楽は大空から俯瞰しつつ建設された壮大な神殿のような雄大なスケール。
そのスケールの大きな音楽を自己主張し過ぎる事無くバッハに仕えるがごとくひたすら謙虚に美音で綴るシェリングが素晴らしいのです。
音程の取り方も和声優先、メロディーの美しさよりハーモニーの美しさを大切に。
音量の変化は極控えめなのにその音色の変化、弓さばきの種類は実に豊か。
バッハの雄大なスケールの音楽と共にシェリングの繊細な感性と美音を楽しむと心安らぐのです。
シェリングのリサイタルは今迄に二回聴いていますが毎回同様の印象で、特に最後に聴いたときのアンコールが印象的でした。普通アンコールでは派手な曲かメロディーの美しい曲でヴァイオリンの音をしっかり楽しんでもらう曲を弾きますよね、ところが彼はモーツァルトのヴァイオリンソナタの第2楽章、ヴァイオリンは極控えめにメロディを弾くだけで、後はほとんど重音の刻みを弾いてピアノの伴奏するだけ。それだけなのに彼の音楽が溢れていて惹き付けられる演奏だったのです。
彼の人間性・人格そのものに惹き付けられたのかもしれません。
彼のBACHはもっぱらiPodで車中で聴いています。
耳が疲れたら同じiPodでパズル「数独」にチャレンジしたり、無料配信ソフト"PodCast"のお気に入り「万葉集(映像付)」を奈良や京都の昔懐かしい風景と共に楽しんだりとiPodフル活用のKです。
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Danke schoen.
by prost-familie
| 2009-10-30 23:58
| My boom